「手足が冷えて眠れない」「夏でも足先が冷たい」「生理痛が重くなった気がする」──30代女性の多くが抱える悩みが“冷え性”です。
冷えはただの体質ではなく、放っておくと 肩こり・頭痛・肌荒れ・不眠・不妊 などさまざまな不調の原因になることもあります。
この記事では、冷え性を改善するための漢方薬と、日常生活でできる養生法をご紹介します。
30代女性に冷え性が多い理由
ホルモンバランスの変化
30代は妊娠・出産や仕事のストレスなどでホルモンが乱れやすく、血流が悪くなりがちです。筋肉量の低下
基礎代謝を支える筋肉が減ることで、体の熱をつくりにくくなります。生活習慣の影響
冷たい飲み物の摂りすぎ、薄着、運動不足、睡眠不足などが冷えを悪化させます。
漢方で考える「冷え性」
漢方では冷え性を単なる“体温の低下”ではなく、気(エネルギー)、血(栄養)、水(水分)の巡りが滞っている状態と捉えます。
血の巡りが悪いタイプ:手足が冷える、肩こり、頭痛、肌のくすみ
エネルギー不足タイプ:疲れやすい、風邪をひきやすい、食欲がない
水分代謝の乱れタイプ:むくみやすい、冷えと同時にだるさがある
それぞれのタイプに合わせて、漢方薬を選ぶのがポイントです。
冷え性におすすめの漢方薬
※服用の際は必ず薬剤師や医師にご相談ください。
1. 血行不良タイプに
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

血流を良くして冷えや生理不順を改善
肩こりや肌荒れにも効果的
2. エネルギー不足タイプに
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力がなく疲れやすい人に
冷えだけでなく、胃腸虚弱や倦怠感にも
人参湯(にんじんとう)
胃腸が弱く冷えや下痢をしやすい人に
3. 水分代謝が悪いタイプに
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
むくみや冷え、月経トラブルに
妊娠を希望する女性にもよく用いられる
真武湯(しんぶとう)
水分の巡りが悪く、めまいや下痢を伴う冷えに
冷え性を整える生活習慣
漢方薬に頼るだけでなく、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。
1. 食事で体を温める
生姜、ねぎ、にんにく、シナモンなど体を温める食材を取り入れる
冷たい飲み物を控え、常温や温かいお茶を選ぶ
栄養バランスを意識して「胃腸に負担をかけない食事」を心がける
2. 運動で代謝を上げる
ウォーキングやストレッチなど軽い運動を習慣に
下半身の筋肉(太もも・お尻)を鍛えると基礎代謝が上がりやすい
3. 血流を促すセルフケア
足首やお腹を温める(腹巻・レッグウォーマー)
半身浴でじんわり体を温める
マッサージやツボ押し(特に三陰交)で血流を促す
4. 睡眠とストレスケア
睡眠不足は自律神経を乱し、冷えを悪化させる
リラックスタイムを意識してストレスを減らす
まとめ
30代女性に多い冷え性は、ホルモンバランスの乱れ・筋肉量の低下・生活習慣の影響が大きな原因です。
漢方薬で体質を整えながら、食事・運動・睡眠といった生活習慣を見直すことで、冷えにくい体へと改善していけます。
「冷えは仕方ない」と諦めず、今日から少しずつ“温める習慣”を取り入れてみましょう。