はじめに
30代後半になると、ふと感じる「以前とは違う体の変化」。
寝ても疲れが取れない、急に顔がほてる、ちょっとしたことでイライラする…。
これらは更年期の始まりを告げる“プレ更年期”のサインかもしれません。
今回は、漢方の視点から更年期予備軍が知っておきたいケア方法をご紹介します。
1. 更年期予備軍とは?
更年期は閉経の前後5年間(約45〜55歳)が一般的ですが、体質やストレス、生活習慣によって30代後半から前触れ症状が出ることがあります。
主な症状
顔のほてり・のぼせ
冷えや手足のしびれ
気分の浮き沈み・不眠
疲れやすさ・集中力低下
2. 漢方から見たプレ更年期の原因
漢方では、年齢とともに「腎」の力が少しずつ弱まり、気・血・水の巡りが滞ることで不調が現れると考えます。
腎虚(じんきょ):生命エネルギーの貯蔵庫である腎が弱る
気虚(ききょ):体を動かすエネルギー不足
血虚(けっきょ):血が不足して心身に栄養が届かない
気滞(きたい):ストレスで気の流れが停滞
3. 体質別の漢方アプローチ
腎虚タイプ(冷え・腰痛・耳鳴り)
おすすめ漢方:六味地黄丸(ろくみじおうがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)
食材:黒ゴマ、黒豆、山芋、くるみ
気虚タイプ(疲れやすい・風邪をひきやすい)
おすすめ漢方:補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
食材:鶏肉、かぼちゃ、もち米
血虚タイプ(肌のくすみ・抜け毛・不眠)
おすすめ漢方:当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
食材:ほうれん草、レバー、なつめ
気滞タイプ(イライラ・胸のつかえ)
おすすめ漢方:逍遥散(しょうようさん)
食材:柑橘類、しそ、ハーブティー

4. 気血水のバランスを整える生活習慣
睡眠の質を高める
寝る前のスマホ使用を控え、照明を落として副交感神経を優位に
軽い運動を習慣に
ウォーキングやヨガで血流と代謝を改善
温活で冷え対策
足湯や腹巻で下半身を温める
ストレスマネジメント
深呼吸、アロマ、趣味の時間を意識的に取り入れる
5. 仕事・家事・育児のストレス軽減法
時間を詰め込みすぎない
家事の外注や時短家電の活用
同年代とのコミュニティで共感・情報交換
まとめ
30代後半は、女性の体が大きな転換期を迎える時期。
不調を“年齢のせい”にせず、早めに体の声を聞き、漢方と生活習慣でケアを始めることが、これからの10年を快適に過ごす鍵になります。