1. はじめに
デスクワークが中心の現代人にとって、長時間の座りっぱなしは腰痛や冷え、むくみの原因になりがちです。
漢方医学では、このような症状の多くが「淤血(おけつ)」や「痰湿(たんしつ)」という体内の血液や水分の停滞に起因すると考えます。
本記事では、デスクワーク腰痛に悩む方へ向けて、漢方の視点からの原因解説と具体的なケア方法をお伝えします。
2. デスクワーク腰痛の原因:淤血と痰湿
淤血(おけつ)タイプ
特徴:腰の重だるさ、こりや痛み、血行不良による冷えや青黒い肌色
原因:長時間同じ姿勢で血液が滞りやすくなること
痰湿(たんしつ)タイプ
特徴:むくみやすい、だるい、体が重く感じる、疲れやすい
原因:水分代謝の低下による余分な水分や老廃物の停滞
3. 漢方でのタイプ別ケア
淤血タイプにおすすめの漢方
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
血行を促進し、痛みやこりを和らげる。
血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)
血液の流れを改善し、慢性的な痛みを軽減。
痰湿タイプにおすすめの漢方
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
体の余分な水分を排出し、むくみを改善。
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
痰湿を取り除き、体の重さを軽減。
4. 生活習慣の改善ポイント
血流を良くする習慣
1時間に一度は立ち上がって軽いストレッチをする
お風呂でゆっくり体を温める(38〜40℃のぬるめが効果的)
足湯やマッサージで血行促進
水分代謝を助ける工夫
塩分や糖分の摂りすぎに注意する
水分をこまめに摂り、利尿を促す緑茶や麦茶を活用する
バランスの良い食事で胃腸の働きを整える
5. 筋力維持のための簡単エクササイズ
骨盤底筋トレーニング:座ったままできる簡単な筋力アップ
腰回しストレッチ:腰回りの血流を促進し柔軟性を高める
深呼吸+軽い腹式呼吸:自律神経を整え、筋肉の緊張をほぐす
6. まとめ
デスクワークによる腰痛や冷え、むくみは、漢方の「淤血」「痰湿」という体内停滞が深く関わっています。
体質に合った漢方薬と、血流改善・水分代謝アップを目指す生活習慣の見直しを合わせることで、根本的な改善を目指しましょう。