はじめに
「思春期は過ぎたのに、またニキビが…」
30代女性のニキビ・吹き出物は、単なる皮脂過剰ではなくストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化が深く関わっています。
特に、仕事や家庭でのストレス、睡眠不足、不規則な食事は、肌のターンオーバーを乱し、炎症や皮脂詰まりを悪化させます。
漢方では、こうした肌トラブルを体質の乱れとして捉え、体の内側から整えることで改善を目指します。
今回は、ストレス肌に関係の深い気滞(きたい)タイプと痰湿(たんしつ)タイプを中心に解説します。
1. 気滞(きたい)タイプ|ストレスで肌荒れ悪化
特徴
ストレスが溜まると肌荒れや吹き出物が出やすい
胸や脇が張る感じがある
イライラ・ため息が多い
月経前にニキビが悪化する
便秘や下痢を繰り返すことがある
気滞は、ストレスや感情の抑圧で「気(エネルギー)」の巡りが滞った状態。
肌では血流や栄養供給が悪くなり、炎症や赤みを伴うニキビが出やすくなります。
おすすめ漢方
加味逍遥散(かみしょうようさん)
イライラや不眠を伴う場合に◎。

生活習慣改善
深呼吸やヨガなどでリラックス習慣をつける
カフェインやアルコールの過剰摂取を控える
就寝前1時間はスマホを見ない
2. 痰湿(たんしつ)タイプ|脂っこい食事と代謝低下が原因
特徴
顔やあごに大きく腫れたニキビができやすい
油っぽい食べ物や甘い物が好き
むくみやすく体が重い
舌に白い苔がつきやすい
胃もたれや下痢が多い
痰湿は、水分や老廃物が体内に停滞している状態。皮脂の分泌が過剰になり、毛穴詰まりや膿を伴うニキビが出やすくなります。
おすすめ漢方
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
余分な熱や老廃物を排出し、炎症を鎮める。
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
顔の赤みや腫れを伴うニキビに効果的。
生活習慣改善
揚げ物・スナック菓子・乳製品を控える
温野菜や発酵食品で胃腸の働きを整える
軽い有酸素運動で代謝を促進
3. ホルモンバランスとの関係
30代は、妊娠・出産・育児、またはキャリアの変化などで、ホルモンのバランスが変動しやすい時期です。
エストロゲンやプロゲステロンの乱れは皮脂分泌を増加させ、特にあご周りやフェイスラインの吹き出物につながります。
漢方では、ホルモンの乱れを「肝(かん)」や「腎(じん)」の不調として捉え、体全体の調和を目指します。
まとめ
30代女性のストレス肌は、表面的なスキンケアだけでは改善しにくいケースが多いです。
気滞タイプはストレスケア、痰湿タイプは代謝と食生活の見直しがポイント。
体質に合った漢方と生活習慣の改善で、内側から健やかな肌を取り戻しましょう。