はじめに
「休んでも疲れが取れない」「気力が湧かない」──30代女性の多くが感じる悩みです。
仕事や家事、育児に追われる生活はもちろん、加齢やホルモンバランスの変化、栄養不足、ストレスなど、複数の要因が重なって起こります。
漢方では、こうした疲れや無気力を体質の乱れとして捉え、根本から回復を目指します。
今回は、特に関係の深い**気虚(ききょ)・血虚(けっきょ)・腎虚(じんきょ)**の3タイプ別に改善法をご紹介します。
1. 気虚(ききょ)タイプ|エネルギー不足で疲れやすい
特徴
少し動いただけで息切れする
声が小さく弱々しい
汗をかきやすい
風邪をひきやすい
朝起きても疲れが残っている
気虚は、体を動かすエネルギー「気」が不足している状態。
日常生活の疲れが回復しにくく、慢性的なだるさを感じます。
おすすめ漢方
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
気を補い、体力を回復させる代表処方。虚弱体質や慢性疲労に◎。
人参養栄湯(にんじんようえいとう)
気と血を同時に補い、疲労回復と免疫力向上をサポート。
生活習慣改善
朝食を抜かない(温かい味噌汁や雑炊がおすすめ)
睡眠時間は最低6〜7時間
軽いウォーキングで全身の気の巡りを促す
2. 血虚(けっきょ)タイプ|栄養不足で集中力低下
特徴
顔色が青白い、またはくすんでいる
めまい・立ちくらみが多い
爪が割れやすい
髪がパサつく、抜け毛が多い
集中力が続かない
血虚は、全身の栄養源である血が不足している状態。脳や筋肉にも十分な栄養が届かず、疲労感や無気力感が強まります。
おすすめ漢方
四物湯(しもつとう)
血を増やし、全身の栄養状態を改善する基本処方。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血を補いながら巡りも改善。冷えやむくみを伴う場合に◎。
生活習慣改善
赤身肉、レバー、卵、ほうれん草など鉄分・タンパク質をしっかり摂る
適度な昼寝で脳と体を休める
ストレッチで血流を促す
3. 腎虚(じんきょ)タイプ|生命エネルギーの低下
特徴
疲れやすく回復が遅い
腰や膝がだるい
白髪や抜け毛が増えた
耳鳴りや聴力低下がある
夜間のトイレが増えた
腎虚は、腎のエネルギー(精)が不足している状態。加齢や過労、睡眠不足によって進行しやすく、全身の活力低下を招きます。
おすすめ漢方
六味地黄丸(ろくみじおうがん)
腎を補い、体力とホルモンバランスを整える。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
冷えや腰痛、頻尿を伴う場合に有効。
生活習慣改善
黒ごま、黒豆、山芋、くるみなど腎を補う食材を摂る
夜更かしを控え、23時前には就寝
腰や足首を温める習慣をつける
まとめ
30代女性の「疲れやすい・やる気が出ない」は、単なる過労だけでなく、体質の乱れが関係していることも多いです。
漢方では、気虚・血虚・腎虚といった体質別にアプローチすることで、根本から改善を目指します。
体質に合った漢方と生活習慣の見直しで、再びエネルギッシュな毎日を取り戻しましょう。